野鳥道傳説Ⅱ

好きな野鳥さんたちをメインに、昆虫さんから植物さんまで身近な仲間たちを・・・。

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多々良沼 (前回の考察)

前回の多々良沼でのオオハシシギ君について、アメリカオオハシシギ君の可能性がもしかして、あるのではと言うことを書きました。

今回はそれについての考察をしましたので掲載します。

その前にこの個体をもう1回確かめるために、昨日夜間勤務を終えて、強行して、すぐに多々良沼へと向かいました。
その当日も夜間勤務がありますので、夕方までには戻らないと仕事に間に合わないために時間の制限があり、早朝から午後2時頃まででしたが、残念ながら来ていませんでした。

と言うわけで、残念ながら、再度この個体を確かめることは出来ませんでしたが、前回撮った何枚かの写真から考えてみようと思います。

IMG_418537.jpg


これは前回の写真と同じです。
撮ったときに気になったのは、①肩羽の形状 ②くちばしの長さ の2点でした。

IMG_43313.jpg


後ろ向きの同個体です。

IMG_43093.jpg


後ろ向きで羽繕い中の同個体です。

IMG_42983.jpg


ツルシギ君と佇む、同個体です。

IMG_41673.jpg


採餌中の同個体です。

写真はまだ色々ありましたが、ボケ写真も多く、またこの4枚もはっきりとしている訳ではありませんが、そこからわかる事を考えていきたいと思います。


1,肩羽
肩羽については5枚目の写真からかなり食い込んでいる部分が見られました。
ここに違和感を感じたのですが、色々と調べましたところ、オオハシシギ君の成鳥冬羽の個体でもこの様な形状の個体はいるようです。
よって、どちらでも考えられると言うことになります。


2,くちばし
①くちばしの長さ
くちばしが少し短く感じられたところに違和感を感じました。
そこでくちばしの直線上であらゆる角度の写真でこの個体のくちばしの長さを測ってみました。

その結果、後頭部からくちばしの先の長さに対する、くちばしの長さは約63%でした。
頭部に対する、くちばしの長さは約1.65倍と言うことになります。

一般的にくちばしの長さは、全体に対して、全体に対して、オオハシシギ君で67%程度、アメリカオオハシシギ君で60%程度、そして、それぞれ、1.75倍以上、1.5倍程度と言われています。

この個体はどちらかと言うとアメリカオオハシシギ君に近い傾向ですが、個体差もあり、どちらとも言えない様です。

②くちばしの形状
くちばしの形状はくちばし全体を直線とした場合に、上部の傾斜がオオハシシギ君よりもアメリカオオハシシギ君の方が強く、くちばし基部がより太い傾向がある様です。

参考に海外での写真なども比較検討した結果、かなり傾斜がきつく感じられ、明らかに違うのがわかります。

この個体はそこから考えるとそれほど傾斜がきつくも感じられず、どちらかと言うとオオハシシギ君の傾向を示しています。

3,目の位置
くちばし全体を1直線とした場合に、目の位置がオオハシシギ君よりもアメリカオオハシシギ君の方が角度が強くなる(いわば、少し上方に目がある)傾向があるようです。

しかし、これについても写真からはどうなのか、判断が難しいです。

4,模様
この2種類の個体の冬羽に関しては模様から判断するのは大変に困難で、写真からもそのどちらかの特徴と言えるものが見当たりません。

5,身体の大きさ
これもどちらも似通っていて、判断が難しいです。

6,初列風切の形状
初列風切はアメリカオオハシシギ君の場合、三列風切よりも3枚突き出る傾向があり、これを見ていくとその傾向があるようには見える物のはっきりしません。

7,三列風切の模様
アメリカオオハシシギ君の場合、三列風切に模様がある傾向があり、オオハシシギ君の場合ではわずか、またはない傾向を示すようです。

写真から見る限り、模様があるようには見えず。これもオオハシシギ君に近い傾向です。

8,上尾筒と尾羽の模様
上尾筒と尾羽はアメリカオオハシシギ君の場合、白を基調とした白黒の縞模様であり、オオハシシギ君の場合、黒を基調とした黒白の縞模様を示します。
いわば、アメリカオオハシシギ君の場合はより白色が目立つと言うことになります。

写真から見るところではどちらかと言うと黒色が太く見えるようでもあり、ここからはオオハシシギ君の傾向を示しています。

まだまだ識別点はあるかと思われますが、以上の点から考えるとアメリカオオハシシギ君ではと言う疑問は単なる思い過ごしであったようです。

日本ではほんの数例しか過去に記録もなく、また資料も殆どありません。
それだけに超大珍鳥と言うことになります。
ほんのわずかに期待もあったのですが、やはり以上の点から総合して考えると、オオハシシギ君と言うことで結論したいと思います。


手持ちの参考・引用文献

大杉健二 2002 静岡県におけるアメリカオオハシシギの記録 Strix Vol.20 : P189-191
室伏友三・中村一恵 1982 短報・日本新記録のアメリカオオハシシギについて Strix Vol.2 : P104-106

鳥630図鑑 (財)日本鳥類保護連盟
日本の鳥550 文一総合出版
フィールドガイド日本の野鳥(増補改訂版) 日本野鳥の会
シギ・チドリ類ハンドブック 文一総合出版

参考サイト

SHORE BIRDS IN JAPAN (http://shorebirds.exblog.jp/)
シギ・チドリ類 画像・識別専門サイト Stint Fan (http://homepage2.nifty.com/stints/)
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  1. 2008/01/11(金) 12:05:31|
  2. 野鳥
  3. | コメント:9
<<渡良瀬遊水地 | ホーム | 多々良沼>>

コメント

こんにちは

私もアメリカのサイトや日本の信用の置けるサイトをかなり調べましたが、99%オオハシシギという結論に達しました。私自身、オオハシシギは多数の個体を見ていますが、アメリカオオハシシギは見た事がないので良い勉強になりました。
  1. 2008/01/11(金) 13:48:09 |
  2. URL |
  3. hitakijo #mQop/nM.
  4. [ 編集]

感服しました

たくさんの資料を使って、データーの分析を科学的に行われ、結果を出されたことに感服しました。
こんなふうにして検証していくのかとなるほどと思いました。
私などは勉強不足を棚に上げて人に頼ろうとするばかりで、深く反省しております。
もう一度現場に行かれたとのこと、そこらへんがよしの88さんのすごさだと感じ入っております。
大珍鳥はよしの88さんのような人に発見してもらいたいと思います。
  1. 2008/01/11(金) 21:07:55 |
  2. URL |
  3. asitano_kaze #QfVI8dBA
  4. [ 編集]

残念

超ウルトラ大珍鳥撮影成功の夢が見れた間だけでも楽しかったですよね^^こういう楽しみ方って絶対ありだと思います。私もまだ写真に収められてない種がたくさんありますので少しずつ収めて自分だけの図鑑を作るのが夢です。
  1. 2008/01/11(金) 21:20:19 |
  2. URL |
  3. どりさま #YhxRTNrk
  4. [ 編集]

hitakijo さん

こんにちは、いつもありがとうございます。

また、お忙しい中、色々とお調べいただいたようで、大変に恐縮です。

うちも色々と検討した結果、オオハシシギ君と言う結論になりました。

アメリカオオハシシギ君と思ったのは思い過ごしだったようでした。

うちもアメリカオオハシシギ君は勿論見たことがありませんが、これからはどちらかとなったら、何とか識別できるのではないかという感じがしています。

いつかどこかで出会えることを期待したいと思います。
  1. 2008/01/12(土) 06:08:06 |
  2. URL |
  3. よしの88 #a0J2.lfM
  4. [ 編集]

asitano_kaze さん

こんにちは、いつもありがとうございます。

また、お言葉も大変に恐縮です。

データ的には日本での記録が数例で殆どないに等しく、画像すらない様な状態でした。
となると海外のサイトかまたは、手持ちの図鑑類、そして過去の報文などを参考にするしかなく、少ない資料から特徴を洗い出し、またオオハシシギ君との違いを付け加えて、検討してみました。

この方法が合っているのか、間違っているのかは置いておいて、わからない個体の識別に関してはいつもこの方法で判断する様にしています。

かなりの時間がかかりますが、それでも得るところはかなり大きいと感じています。

判断の方法は千差万別、様々ですから貴殿には貴殿なりの方法でよろしいのではないかと思います。

そして、この考察をする前にもう一度現地に行くと言うことは勿論、何か新しい発見があるかも知れないと言うことと、確認事項の再確認の意味合いも含めて重要だと思いました。

結果的には残念ながら、その個体がいませんでしたので、目的は達することが出来ませんでしたが、別に1日睡眠を取れなかったとか、時間の無駄になったとかは全く思ってもいません。

そして、大珍鳥、なかなか難しいですが、これも偶然が大きく響いてきます。

日頃からどんなことにも気をつけて、見落としのない様にして行きたいと思っています。
  1. 2008/01/12(土) 06:22:49 |
  2. URL |
  3. よしの88 #a0J2.lfM
  4. [ 編集]

どりさまさん

こんにちは、いつもありがとうございます。

結果的には残念でしたが、これもまた一つの勉強、そして大変に有益だったと思っています。

結果が出るまでには結構な時間がかかってしまいましたが、どちらにしても苦になる様なことはありませんでした。

こう言うこともたまには出てくる物で、それも又楽しみの一つですね。

ご自分の図鑑、素晴らしいです。
大変に楽しみですし、目標に向かって、その過程が何よりも充実しますね。

うちもそのような物をHPに掲載しようとページだけは作ってありますが、現在実際に中身は全くない状態です。

これも自分なりの図鑑と言うことで、少しずつでも作っていきたいと思っております。
  1. 2008/01/12(土) 06:27:37 |
  2. URL |
  3. よしの88 #a0J2.lfM
  4. [ 編集]

さすがの検証の仕方、大変参考になります。
自分自身で調べることの大切さが身にしみて分かります。その過程で得る知識が知恵となり身になりますね。野鳥に関しては、まだまだ文献が少なくて、とてもとてもよしの88さんのようにはいきませんが、しっかりと見習わなくてはと、気を引き締める思いで拝見しました。
ありがとうございました。
  1. 2008/01/13(日) 18:49:35 |
  2. URL |
  3. MG #H7ugZLQM
  4. [ 編集]

こんにちは!
ただいま個人的にブログ応援活動してます。
応援ポチッ!
  1. 2008/01/14(月) 18:54:00 |
  2. URL |
  3. スミサーズ #-
  4. [ 編集]

MG さん

こんばんは、いつもありがとうございます。

お返事が大変に遅れました。
いつもの事ながら、誠に申し訳ありません。

さて、お言葉も大変に恐縮です。
おっしゃるほどの事でもありませんが・・・。

調べる際は手持ちの文献、資料などを片っ端から見て、その書いてある特徴、相違点などをまず書き出して、それを並べていくだけのことです。

その並べた物を実際の写真と照らし合わせているだけのことですから、別に特別のことはないかと思います。

ただ、これも十分に時間がないと出来ることではないのですが・・・。

更に時間があれば、それにプラスして、その種類に関する手持ちの文献を片っ端から見て、その調べようとしている文献、報文などがないかを探します。

更に時間がまだあるようであれば、サイト上の情報を検索して、調べていきます。

これでその種類の特徴、相違点、その他を整理して、肉付けして完了です。

この方法が合っているのか、間違っているのかはともかくとして、時間もかかり、地味ではあると思いますが、一番確実ではないかと考えています。

やはり、時間をかけて調べたことはそうそうに忘れる物ではありませんから、それだけに十分に価値のある事ではないかと思っています。

これからもわからない、疑わしいなどはこの方法でやっていきたいと思います。
  1. 2008/01/16(水) 21:14:02 |
  2. URL |
  3. よしの88 #a0J2.lfM
  4. [ 編集]

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よしの88

Author:よしの88
東京都目黒区在住
昼夜・休みと関係のない不規則な仕事の合間に時間を見付けては、あちこち撮影に歩いています。

写真は駆け出しの素人写真ばかりですが、どうぞ、ごゆっくりと。
コメントなども大歓迎です。
ただし、記事の内容に対する記述の含まれないコメントは勝手ながら、無条件削除とさせて頂きます。

全ての写真はノートリミング、無修正・無加工でそのままJPEG画像をサイズ変更だけで手を加えることなく掲載しています。
遠い、小さい、見にくい、ぼけている、そして暗い・明るい・飛んでいるなどの写真が往々にしてありますが、ご了承下さい。

また、ここで掲載している写真・画像の無断転載、使用、画像への直接リンクなどは一切お断り申し上げます。
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